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突然ですが今回はweb担当の山本が、この10~20年ほどで死語になったIT用語を解説します。
【ユビキタス】
「ユビキタス(ubiquitous)」とはラテン語かなにかで「それがいつでもどこにでも存在すること」という意味の言葉です。
ITにおけるユビキタスは、正確には「ユビキタス・コンピューティング」とか「ユビキタス社会」の略語で、「コンピュータがいつもどこにでも存在する社会」がそう遠くない未来にやってくるであろうという、当時の情報技術革新の日進月歩ぶりを表した言葉でした。
……あれ?
そうなんです。この「ユビキタス社会」はすでに訪れている、というか絶賛真っ只中なのです。
今や全国民がスマートホンなどのインターネットに接続できる端末を所持しています。
荷物が届きそうな日をスマホでお知らせ!お買い物をするときもスマホで決済!
枚挙に暇がありません。
この「ユビキタス」という言葉は、それこそ水や空気のようにそこにあるのが当たり前になりすぎて使われなくなった言葉といえます。
「昨今ってマジユビキタスだよねーーー」「ユビキタスマジパネェ」なんて言ってる女子高生がいたらちょっとこわいですもんね。
ニュアンスとしては、今流行りの「IoT」に近いかもしれません。
【ネットサーフィン】
読んで字のごとく、インターネット上でサーフィンをすることです。
ただし、サーフィンと言ってもサーフボードの代わりにパソコンやスマートホンを使って、水の海の代わりにメガやビットの海を行ったり来たりします。
要はインターネットで調べ物をしたり、特にこれといった目的もなくダラダラ閲覧したりすることです。
一昔前まで、「ネットサーフィン」はマイコン族(古すぎる)や、薄暗い部屋でチェックの服を着て室内なのにキャップをかぶったメガネのオタク君がするあやしい趣味でしたが、今や誰もがスマホ片手に波を乗りこなす時代になりました。
これもやはり、「ユビキタス」と同じく普通のことになりすぎて消えていった言葉だと思います。
【マルチメディア】
マルチメディアはマルチなメディアのことです。
マルチなメディアとは、「マルチ(複数)な情報をまとめて扱うメディア(情報媒体)」のことです。
2種類以上の異なる情報を扱えるモノはもれなくマルチメディアです。
音楽データや写真を扱えるCDはマルチメディアですし、
(カセットテープは音楽(音声)専門に保存しているのでマルチメディアではありませんし、フロッピーディスクは容量が少なすぎてマルチメディアとは呼べませんでした)
DVDもBDも当然マルチメディアです。スマホも言わずもがなマルチメディアです。
果てはスクリーンに映し出された映像と臨場感のあるサウンドを聴きながら、座席が揺れたり風が吹き付けてくる4D映画も余裕でマルチメディアです。
思うに、このマルチメディアという言葉は、意味がふんわりしすぎて、あるいは対応するものがあまりにも多岐に渡りすぎていて使われなくなった感があります。
当時、マルチメディアという言葉を聞いて、「なんかCDのすげーやつ」みたな感想を抱いていた人は少なくないはずです。
【2000年問題】
世紀末、「ノストラダムスの大予言」とともに世間の話題を席巻していたのが「2000年問題」です。
当時、多くのコンピュータでは、日付を年月日それぞれ2桁の数字で表現していました。
「1999年7月1日」であれば「99-07-01」になります。年の上2桁はそうそう繰り上がって変わることがないので省略していたんですね。当時はまだ1.44MBのフロッピーディスクが主流の時代でしたので、少しでもデータ量を節約したかったんですね。
ところが!!
2000年1月1日にその滅多に起きない繰り上がりが起きてしまうことが明らかになったのです!!!!!!!!!()
「2000年1月1日」を先程の法則で表すと、「00-01-01」となります。
我々人間であれば、「あぁ、きっと2000年の1月1日なんだな~」と足りない部分を勝手に補完して解釈できますが、コンピュータは馬鹿正直なところがありますので、「西暦0年1月1日」と解釈してしまいます。
その結果、1999年から2000年に切り替わった瞬間にありとあらゆる場所でコンピュータが一斉に誤作動を起こし、工場の出荷が止まったり、医療機関で人命に関わる装置が停止したり、株式市場が大混乱を起こしたり、人工衛星が墜落したり、某国の核ミサイルが誤発射されたり、果ては某機関で厳重保管されていた根絶されたはずの天然痘が再び人類の脅威となる……みたいなほとんど陰謀論じみた懸念までされていました。
幸いなことに、事前の対策もあってか、核ミサイルは発射されることなく大きな混乱も起こらず収拾していきました。
「これで安心!2100年まで大丈夫!やったね!」と思いたいところですが、実は「2038年問題」というものもあります。
多くのコンピュータは、時間を数えるときに「1970年1月1日0時0分0秒から何秒経過したか」という数え方をしています(これをUNIX時間といいます)。
例えばナップの工場が現在の平井町に遷った日である「2018年9月3日9時0分0秒」は、「1970年1月1日0時0分0秒から1535932800秒経過した日時」とコンピュータは認識しています。
実は、コンピュータが数えられる数字には限界があります(当然ですが)。
扱える桁数の多さはデータ型というものにもよるのですが、ここでは省略するとして
「(2^31-1)秒」、つまり「2147483647秒」まで数えることができます。
「1970年1月1日0時0分0秒」から「2147483647秒」経過した日時が「2038年1月19日3時14分7秒」となります。
……もうおわかりですね!
この「2038年1月19日3時14分7秒」を過ぎた瞬間にやはり一斉にコンピュータが誤作動を起こすのではないか?
という問題です。
実際に起ってみないことにはわかりませんが、2000年問題と同様に事前の対策をしていればさしたる問題にならないであろうと言われています。
いかがでしたでしょうか?
こうしてみると現在ナウでヤングな「IoT」や「AI」、「シンギュラリティ」などのIT用語も、10年後には死語となっていたりするのでしょうか。
というか「IT」という言葉自体がもうすでに死語になりつつあるかもしれません……
以上、いつもブログの文章が長くなるやまもとでした。
~巻末付録:10年後に死語になっているかもしれないIT用語たち~
【IoT】
Internet of Thingsの略称で、直訳すると「モノのインターネット」になります。
簡単にいうと、インターネットに接続して何か便利なことができる家電製品のことで、仕事が終わって家に帰る頃にちょうど洗い終えてくれる洗濯機とか、出先から愛猫の様子を伺うことのできるペットカメラなどがそれにあたります。
【シンギュラリティ】
「特異点」の意で、本来の意味は「それ以前と以後で状況が大きく変わるある一点」のことです。色々な分野で用いられる言葉で、ブラックホールの、重力が強すぎて光ですら脱出できない点が有名ですね。
IT的には、「AI(日本の女性歌手ではありません。人工知能のことです)が人智を凌駕し人間に取って代わる日」を指します。
よく語られるのが、AIが感情を獲得して人間に反逆するというシナリオですね。
実際に起きるのかどうか、実際に起きてみなければわかりませんが、個人的には人間と機械の区別が付かなくなるということは起こりうると思います。現在でも個人識別や決済システムとして、生身の体にチップを埋め込んだりしていますよね。神経からの電気信号で動く義手や、脳波から思考を映像化する装置の開発も行われています。
【デジタル/アナログ】
デジタルは定量で区切られた情報、アナログは連続した情報です。
よく例えられるのが、「デジタルが階段、アナログが坂」です。
階段と坂、それぞれ真ん中あたりに人が立ったとき、階段は「下から何段目」のように誰が見ても共通で認識できる表現(情報)で表すことができます。
一方、坂では「だいたい真ん中」と思う人もいれば、「ちょっと上寄り」と感じる人もいるかも知れません。
車で言えば、スピードメーターで、針で示されたものと、電卓のようにナナセグで示されたものがあります。
針式のスピードメーターは、だいたいの速度はひと目で分かりますが、正確な速度はわかりません。
ナナセグ式のスピードメーターは、いま出ている正確な速度が一目瞭然ですが、刻一刻と変わるため人によっては安全な運転に集中できないかもしれません。
では問題です。「高解像度の液晶画面上に針で示されたスピードメーター」はアナログ・デジタルどっちでしょうか?
答えは「どちらでもない」かもしれません。このように、デジタル/アナログの境目はなくなってきていると言えます。
数日前から工場に野良猫ちゃんが現れまして、看板犬にベッタリくっついています。同じ黒色同士だから親と思っているのか?一方でくっつかれている看板犬の方はというと少し困惑している感じにも見えます😂。ソーシャルディスタンスで宜しく。
追伸。
インスタグラム始めました。お時間ありましたら覗いて見て下さい。https://instagram.com/nap_factory?igshid=10xla8k9tkiff
k野
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