大量発生!!
事務所の前のトックリヤシモドキ(ヤシの仲間)です。
葉をよく見るとポツポツと黒い点が!?
こいつらはカイガラムシの一種で、ヒラタカイガラムシといいます。名前の通り平べったい形をしています。
カイガラムシはカメムシやアブラムシと近縁の昆虫で、風通しの悪い場所に発生して植物を吸汁します。成長すると蝋状の物質を分泌して身を包むため、雨風で落ちなくなったり殺虫剤が利きにくくなります。多くの種類で足が退化しているので、生まれてからほとんど動かずに一生を過ごします。
葉や幹に発生するのはすべてメスで、オスには羽があり飛び回っています。メスだけで単為生殖ができる上にライフサイクルも短いので数が爆発的に増えてしまい、気が付いた時にはもうカイガラムシで埋め尽くされている……なんてことも珍しくありません。
数匹であれば大した被害はないですが、数が増えると吸汁によって植物が弱ったり、排泄物に糖分を含むためアリを誘引したり、すす病というカビによる病気の原因となります。最悪の場合植物が枯れてしまうこともあります。
なにより観賞価値が著しく損なわれるため、優先的に駆除したい害虫のひとつです。
自分は園芸が趣味で、以前庭木を管理するお仕事もしていたことがあるのですが、
普段、家で育てている植物に虫がついたときは、農薬を散布して範囲攻撃で一気にやっつけてしまうのですが、農薬は使いたくないしそもそも普通家にはないですよね。
そんなときは!!
ほんのちょっぴりだけ台所用洗剤を混ぜたスポンジや歯ブラシで優しくしごいてあげるとよいです。
物理的に虫を落としつつ、洗剤に含まれる界面活性剤によって虫の気門をふさいで窒息死させる効果があるといわれています。
※昆虫は、脊椎動物と違って口や鼻で息をするわけではなく、胸やお腹に気門という小さな穴が開いていてそこで呼吸をします。
作業後に全体を水で洗い流してやれば……
おおむねきれいになりました!
しかしながら、まだ目に見えない部分に潜んでいる可能性があるので定期的にケアしてあげることが肝要です。
……と、ここまでカイガラムシをこきおろしてきましたが、
カイガラムシが人間の役に立っている面もあることをご存じでしょうか?
ウチワサボテンに寄生するコチニールカイガラムシというやつがいます。
こいつを乾燥させて茹でるとコチニールという赤い色素が取れます。
コチニールは、染料・食品添加物(色素として)・化粧品などに幅広く利用されています。ちょっぴり意外ですね。
これを聞いてしまって赤色のものを食べられなくなった方がいましたら深くお詫び申し上げます。
やまもとでした。
最近のコメント